TEAM NOPRO 2023スーパー耐久第4戦オートポリス　レースレポート

　前戦SUGO大会から実質2週間の短いインターバルでの開催となったのは、17号車得意のオートポリス大会です。

　シリーズチャンピオン獲得に向けて、とても重要な1戦になります。

　37号車としては、引き続きポイント獲得・セカンドグループ上位を目指す1戦です。

　17号車はレギュラーの4名、37号車はBドライバーに開幕戦以来の参加となった川名賢が再合流し、ジョニー小倉、加藤、野上達也の4名で臨みます。

【7月28日　金　練習走行　天気：晴れ　路面：ドライ】

　17号車はオートポリス初走行となる西澤選手・小西選手のコース習熟からスタート。午前中の2時間の走行枠を存分に活用し、途中休憩を挟みつつ周回を重ねる。午後も午前の走行からのフィードバックやオートポリスならではのリアタイヤの摩耗具合などをチェックしていきました。

　対する37号車もジョニー選手、川名選手の習熟をメインに周回を重ねつつ、タイヤの内圧を中心にセッティング変更しコンディションなどに合わせてアジャストしていきます。

　午後の走行枠では、状態の良いタイヤを投入、ふたりの習熟も進みタイムも上がったところで走行終了となりました。

【7／29土予選　天気：晴れ　路面：ドライ】

　午前中のフリー走行前に17号車にトラブルが発覚。走行を見送りタービン交換を行った事から、西澤選手はこの日最初の走行が予選となってしまいましたが、好タイムを記録。

　ロードスター勢には割って入れなかったもののFF勢のトップを奪います。続く大谷選手も順当にタイムアタック。ふたりとも5番手でしたが、合算した結果4番手グリッドを手に入れます。

　小西選手は今回も速く、走行条件が分かれるCドライバー予選ではありますがクラストップを記録、続く野上敏彦選手も順当に基準タイムをクリアしますがアタック終了直後にエンジンが停止してしまいコース途中でストップ。

　回収された車両をチェックするとエンジンの圧縮低下を確認、交換したタービンに不具合が発生したところからタービンの破片で、エンジンブローに繋がってしまった模様。

　スペアエンジンは用意があるものの、タービンは予備に交換したことで手持ちがない状況に。部品手配に奔走し、夜通しに近い時間の作業となったが、担当を分散し順調に修復でき決勝グリッドに並べる事ができました。

　一方の37号車は、ジョニー選手がそれまでの自己ベストを予選で更新する見事な走り、川名選手も前方との差がコンマ1秒ないほどの僅差なタイムを記録。8番手グリッドではありますが「もう少しで･･･」が見えた予選でした。

【7／30（日）決勝　天気：雨のち晴れ　路面：ドライ】

　17号車は西澤選手、37号車はジョニー小倉選手がそれぞれスタートドライバーを担当。Aドライバーに義務付けられている規定運転時間を最初にクリアする戦略を取ります。

　17号車は予選後にエンジン交換を行った事から、審査委員会にて裁定された20秒ペナルティストップが課される事がスタート前から決まっており、スタート後程なくしてペナルティストップボードが提示。

　ペナルティ消化後は、孤独な戦いが始まりますが逆にライバルが周りにいない事で、自分のペースで周回を重ねていきます。

　37号車のジョニー選手は17号車のペナルティで7番手に順位が上がった後も良いペースをキープして周回を重ねます。

　17号車はスタートから80分ほどドライブしたところ1回目のピットストップ。2番手の大谷選手はトップ集団と同じペースで猛烈な追い上げ。

　他チームのピットタイミングとの兼ね合いはあるものの、3番手まで追い上げたところで小西選手に交代。2スティント連続が担当する戦略に小西選手も応え、良いペースで周回していきます。

　一方の37号車はスタートから90分ほどのところで川名選手にドライバー交代。川名選手も2分20秒台で着実に周回を重ねていき、加藤選手へ交代。

　給油とドライバー交代のみでコースに入った加藤選手は高い気温からくるグリップダウンと戦いながら周回。その後、再度川名選手に交代するタイミングでタイヤ４本を交換してコースインしていきます。

　17号車は最終スティントを大谷選手が担当。3番手でコースに戻るが、燃料は問題ないことから精一杯プッシュしていき、前を行く88号車が燃費の関係かペースが上げられないのをよそに残り15分のところで逆転。

　トップの72号車には40秒差近くまで接近したが、届かずクラス2番手でチェッカーを受けました。

　37号車は川名選手が交換したタイヤでペースを取り戻したマシンを最終スティントを担当したジョニー選手に繋ぎ、17号車より燃費が厳しいことから再給油を挟んだものの順位は変わらず、今シーズンベストとなる7番手でチェッカーを受けました。

【野上敏彦チーム代表・17・Dドライバー】

「予選時に発生したトラブルはチームとしては久しぶりにストレスの高い状況でしたが、各メンバーで分担して対応した事で決勝グリッドに着けました」

「トラブルが決勝に出なかった事、最後尾から追い上げてクラス２位まで追い上げられた事はとても運が良かったと思います。残り2戦のレースを確実に進めて行きたいと思います」

【西澤嗣哲　17・Aドライバー】

「初めてのオートポリスは難しいけど攻めがいがあって楽しかったです。Ｄドライバー予選中にマシントラブルが発生、エンジン交換が必要になりましたが、決勝中に起きなくて不幸中の幸いでした」
「そこから方々に手を回し、決勝スタートに間に合わせてくれたチームのみんなに感謝です。20秒のペナルティストップを受けても、B、Cドラの大谷、小西の頑張りで最下位から2位チェッカーを受けられたのは最良の結果だと思います。ポイントランキングでは72号車に逆転されてしまいましたが、あと2戦、精一杯頑張ります」

【大谷飛雄 17・Bドライバー】

「予選でエンジンブローというハプニングがありましたが、メカニックやチームの皆さんがなんとか徹夜で仕上げてくれました。ペナルティにより順位を最後尾まで落とすことにはなりましたが、ドライバーも応えなきゃいけないと思い、トップに喰らいつけるように走りました。

「結果として2位を確保できたことは恩返しに繋がりますし、この先のチャンピオンシップにおいてもまだチャンスがあります。引き続き応援よろしくお願いいたします」

【小西岬 17・Cドライバー】

「とにかく決勝が始まるまで困難の連続でした。チーム全体が懸命の作業で寝る時間を削ってスタートラインに並べてくださっただけにひとつでも上の順位を目指してプッシュしました。運も味方に2位まで這い上がれたのはシリーズを争う上で重要な結果をチーム一丸で掴めたと思います」

「部品の調達や交換で休む間も無いなかでミスなくレースを運営してくれたチーム、問題解決にご協力くださったマツダ関係者の皆さん、フルプッシュに耐えてくれたブリヂストンのRE 71RSに感謝致します。次回の岡山も最善の結果を出せるようにしっかり準備して参ります！」

【ジョニー小倉 37・Aドライバー】

「７月の末だというのにオートポリスの涼しさと快適さには驚きました。いつもは車に最大限の荷物を積んで移動しますが、飛行機でレースに行くのは初めてなので荷物を絞り込むのが大変でした。レースは３戦目で少し慣れてきた感じです」

「予選8番手、決勝7位でしたが順位がひとつでも上がると嬉しいです。目指すは表彰台！」

【川名賢 37・Bドライバー】

「応援していただいているファンの皆様、スポンサーの皆様、そしてチーム関係者の皆様に感謝いたします」

「私は今年からスーパー耐久に参戦を開始し、オートポリスラウンドは開幕戦以来２戦目の参戦となりましたが、走るごとに速さと強さを増していく37号車に更なる可能性を感じています」

「また、Aドライバーのジョニー選手も今年からスーパー耐久に参戦ということで、伸び代のあるドライバー布陣であることは間違いありません。後半戦のTEAM NOPROの活躍にご期待ください！」

【加藤芳皓 37・Cドライバー】

「タイヤ無交換で出ていったのですが、フィーリングは悪いのにタイムが落ちないという状況だったので、まだまだドライビング面で修業が足りない事を実感させられました」

「今シーズン中はこのタイヤを継続して使用する事も決まったので、さらに習熟を進めて残り2戦がさらに“戦える”レースになるように努力していきたいと思います。今回もたくさんの応援ありがとうございました」

【野上達也 37・Dドライバー】

「決勝はドライブしませんでしたが、SUGOから感じている37号車の決勝でコンスタントなラップタイムを刻みやすい車ではない部分を岡山へ向けて改善できればと感じました」

「昨年短時間で作ったなかで、今期エンジンパワーが上がりライバルとバトルできる状況のなかで、もう1ステップ上げることでさらにいいレースができると感じています」