10月26~27日、2024年グランツーリスモD1グランプリの第7戦と第8戦が大分県のオートポリスで開催された。第7戦は決勝戦で両者ミスをするなか日比野哲也(SHIBATA RACING TEAM)が優勝、第8戦は齋藤太吾(FAT FIVE RACING)がクラッシュ決着の決勝戦を制している。
■第7戦単走:乾きつつあった路面で走りをまとめた上野が優勝
この日は朝から雨で始まった。前日の公式練習はドライだったので、チェック走行だけでウエット路面の走り方を掴まなくてはいけない。
コースレイアウトは前年度とほぼ同様。コースを逆走で使用し、メインストレートからスタートし、ファイナルコーナーを曲がって立ち上がっていくところでフィニッシュだ。
通過指定ゾーンの位置も前年度とほぼ同様だが、今年はゾーンを最初から最後までトレースすることが求められるようになったため、完全に外した場合だけでなく、途中で入ったり出たりした場合にも減点が入る。
競技中にも路面コンディションは大きく変化した。単走ではウエット時の方式が採用され、6つに分かれたグループの各上位選手が追走進出となる。走行時の路面状況によってDOSSの補正係数は変えられ、単走優勝は全体での得点順位で決められる。
Aグループでは蕎麦切広大が角度控えめながらきれいに走ってトップ通過。Bグループでは後半の角度は浅めだったものの安定して踏んでいった石川隼也がトップ通過した。
しだいに路面は乾き、車速は上がったが、グリップする場所と滑る場所の差が大きくなる難しいコンディションとなっていった。Cグループでは川畑真人がコーナーでの安定性で点を稼いでトップ通過。そして、最後のDグループで走行した上野高広が、第3ゾーンの入りを外したものの、全体的に完成度の高い走りを見せて最高得点をマーク。単走優勝となった。
なお、ランキング首位の中村直樹は得点が伸びず敗退。横井昌志や村上満、ランキング3位の齋藤らも敗退した。

■第7戦追走:両者ミスをした決勝は、走りの質の差で日比野が優勝
しばらく前から雨は上がっていて、追走はタイヤスモークも上がるほぼドライのコンディションでスタートした。ベスト16では、8対戦中6対戦で単走下位の選手のほうが勝つという、やや異例の展開となった。
ランキング1位の中村と3位の齋藤が単走で敗退した状況で、逆転や追い上げを図りたい同2位の日比野、4位の蕎麦切ともにベスト16を勝利したが、蕎麦切は藤野秀之に敗れベスト8敗退となった。
ベスト4に勝ち上がったのは日比野、松山北斗、田中省己、藤野だ。しかしこの少し前から雨がポツポツと降り出していた。まずは日比野vs松山。1本目は先行の日比野がファイナルコーナーのアウトではみ出したが松山もはみ出してしまい、松山は大きなアドバンテージがとれない。2本目はおたがいにミスをしつつも後追いの日比野の接近度が高く、日比野が逆転勝ちした。
田中vs藤野は1本目先行の田中に対し、藤野が進入の先からビタビタの接近ドリフトを決めて大きくリードした。しかし路面がさらに濡れてきた2本目に、先行の藤野はミスを重ねて大減点を受け、田中が逆転勝ちした。
決勝は日比野vs田中。1本目は日比野が先行。1本目は日比野にミスが出て、田中も進入などで接近ポイントを獲得。田中がリードする。2本目は田中が先行。こんどは田中にミスが出て、日比野は田中ほどの接近ポイントをとれなかったものの、1本目2本目ともにDOSS点で田中を上まわっていたためにトータルで日比野の得点が上まわり、逆転勝ちとなった。これによって日比野はランキング首位に立った。


