■第8戦単走:蕎麦切が精密で完璧な100点走行
前日の雨は上がり、朝は快晴。この日はドライ路面で競技がスタートした。予報では午後に雨マークがついていたが、けっきょくほとんど降ることはなく、最後までドライコンディションで競技が行われた。
最初のAグループでは、飛び込みでいい振りを見せた田野結希が98.35点でトップに立つ。次に中村直樹がやはり振り出しや飛び込みの角度で点を稼いで98.40をマーク。田野を上回った。
しかし次のCグループでは、蕎麦切が1本目に完成度の高い走りで98.79点を出し、その時点でのトップに立つと、2本目には距離感ピッタリの振り出しと振り返しをするどく決め、しっかり姿勢を安定させてファイナルコーナーを駆け抜けた。得点は100.04点。自らの最高得点を更新した。
その後Dグループの藤野が98点台後半、村上が99点台を出したものの、蕎麦切の得点には届かず、蕎麦切が唯一の100点オーバーで単走優勝を決めた。一方、前日優勝してランキング首位に立った日比野は2本とも失敗して敗退。ノーポイントとなってしまった。

■第8戦追走:川畑vs齋藤のあぶない対決はクラッシュで決着
単走で完璧な走りを見せた蕎麦切だったが、ベスト16では先行でミスしてしまい、川畑の見事な後追いもあって敗北。前日準優勝の田中が森孝弘に敗れたり、ランキング上位の田野が山口孝二に敗れるといった波乱があった。
ポイント争いでは前日後退した中村と齋藤は、日比野が単走で敗退したこのラウンドで上位に入っておきたいが、ふたりともベスト8を突破してきた。
ベスト4に勝ち上がったのは川畑、中村、齋藤、山中真生。まずは川畑と中村が対戦した。1本目は先行の川畑にミスが出て、ミスがありながらも近いドリフトを見せた中村がリード。2本目は、後追いの川畑があまり大きな接近ポイントをとることはできなかったものの、中村にミスが出て大きく減点され、川畑が逆転勝ちした。
齋藤vs山中の対戦は、お互いに先行時にいい走りをして後追いでは接近できなかったが、トータルの得点が高かった齋藤が勝った。
決勝は川畑vs齋藤。長年D1GPを背負ってきたベテラン対決だが、接触、クラッシュも多い危険な対戦だ。1本目は川畑が先行。齋藤は進入からビタビタに寄せていたが、ファイナルコーナーのアウト側で川畑をプッシュしてコースアウトしてしまう。

ただ、接近ポイントをとっていたこともあって齋藤リード。2本目は後追いの川畑が、振り返しからラインがずれてファイナルコーナーで齋藤に激突。押し出してしまう。これは川畑の減点が大きく、齋藤の勝ちとなった。
このラウンドの結果、ポイントランキングは中村がトップに立ち、日比野が2位、齋藤が3位となった。中村との差は日比野がわずか5ポイント。齋藤は7ポイントだ。また4位の蕎麦切も32ポイント差でかろうじてチャンピオンの可能性を残して最後のお台場での2連戦を迎えることになった。

