これらの事情により、レッドブルはフェラーリとメルセデスという二強からはかなり差をつけられているものの、3位を獲得するには十分な速さを備えていると推測している。だが、ウイリアムズも驚くべき競争力を発揮しているため、実際のところレッドブルのライバルはウイリアムズになるかもしれない。

18歳の新人ランス・ストロールがクラッシュによってたびたびマシンが走行不能となったウイリアムズだが、クラッシュによるトラブルのない日は彼らはいつもよいパフォーマンスを見せていた。2回目のテストの終わりにはマシンの速さに自信を持ったのか、チームはもっぱらレースシミュレーションに集中していた。
グリッドの中団はかなり興味深いことになるだろう。多くのチームがわずかな差のなかでひしめき合っているからだ。フォース・インディア、ハース、そしておそらくトロロッソがポイントを争うことになるだろう。
その一方で、ルノーは本来の速さが未だ謎のままであり、型落ちのパワーユニットを搭載しているザウバーは後方に沈み、シーズンが進むにつれて最新型のパワーユニットを搭載しているライバルたちとの差はますます広がっていくと考えられる。
多くのドライバーたちが予想しているように、より速くなったF1マシンと劣化が遅くなったピレリタイヤの影響で、オーバーテイクの回数は減少するだろう。ただ、少なくとも今年はすべてのチームのマシンが2016年の最速マシンより速いということははっきりしている。
現時点において、最も期待はずれだったのはマクラーレン・ホンダだ。2年に渡る困難な時を経て迎えた今シーズンだったが、大きな希望は悪夢へと変わった。歴史的なオレンジのカラーリング、チームの新たな方向性、そしてホンダによる新たなパワーユニットのコンセプトなどはどうでもよい。進歩というよりむしろ、マクラーレン・ホンダの復活初年度である2015年の、最も悪かった時期に逆戻りしたようだ。