──レース経験の少ないルーキードライバーではありますが、GTWCのスプリント・カップでは、ベテラン勢を押さえてドライバーズランキング総合7位でシーズンを終えるなど、大健闘でしたね。
TV:アルベルト・コスタと組んで挑んだ初めてのGTWCスプリントのシーズンだった。フェラーリ296 GT3は新車ということで、シーズン序盤には数多くのトラブルが発生して悔しい思いもしたが、チーム一丸となってハードワークをこなしてポディウムに四度立つことができ、本当に嬉しかった。
──DTMは1ドライバー、GTWCは2ドライバーで戦いますが、どちらのフォーマットが好みですか?
TV:DTMのフォーマットの方が好き。セットアップやドライビングスタイルは自分ひとりに合わせられるし、ストラテジーも含めすべてが自分専用に用意されるから、他のシリーズのように他のドライバーとの妥協点を考える必要がない。自身のパフォーマンスを試されるレースだと感じているし、自らの責任と判断のもとでレースを組み立てる必要があるから、その分プレッシャーもある。

──ところで昨年ADAC GTマスターズでは、マックスと同じゼッケン『33』で参戦していましたが、今年『69』なのはなぜですか?
TV:本当は尊敬するマックスのナンバーと同じ33を今年も使用したかったんだけど、SROでもDTMでもすでに33は抑えられていたんだ。DTMではレネ・ラストが33を使用しているけど、、もしも彼がWEC等でDTMに参戦できないようだったら、すぐに33を抑えたいと思っている(笑)。
69はGT4へ参戦していた際につけていて、シリーズチャンピオンになれたので縁起がいいナンバーかなと思ったのと、友人らと話していた際に、「もしクラッシュしてマシンがひっくり返ったとしてもナンバーが分かりやすいのでは?」という冗談から出た数字でもあるんだ(笑)。
──なるほど(笑)。まだお若いですが、レース活動以外では学生なのですか? それともお父様のお仕事をお手伝いなさっているのでしょうか?
TV:去年はまだレースのスケジュールがさほど多くなかったので、ロンドンの大学でビジネスマネジメントを学んでいた。大学で学んだことは非常に興味深く、学生生活を謳歌していたが、今季はGTWCとDTMにシリーズ参戦し、ドバイ24時間レースやガルフ12時間レースなど、他にも数多くのレースにもチャレンジしている。それらに付随してテスト等もあるので、以前のように大学に通うことは難しく、一旦休学をしているんだ。
──忙しかった2023年のシーズンも終了しますが、来年の予定は決まっていますか?
TV:まだ正式には決定していないが、エミル・フレイのチームの雰囲気をとても気に入っているし、僕としては今季同様にDTMとGTWCヨーロッパのスプリント・カップに参戦して、さらに自分自身を磨き、上位を目指したいと願っている。
