更新日: 2024.02.16 13:56
フェラーリドライバーなら「どのチームにも行ける」とサインツ。将来については慎重に検討する姿勢
Translation: AKARAG
フェラーリは現在、リヤサスペンションにプルロッドシステムを採用している唯一のF1チームであるため、シャシー担当テクニカルディレクターを務めるエンリコ・カルディレが最初に尋ねられたのは、必然的に彼のマシンのこの特殊性についての質問だった。
結局のところ他の多くのエンジニアは、とくにタイヤマネジメントに関して、過去2年にわたりレッドブルを非常に強くした重要な要素のひとつとしてリヤサスペンションの効果を挙げている。そのためフェラーリが、他が見捨てたシステムにこだわっていることには説明が必要だった。
カルディレは次のように充分な説明をすることを余儀なくされた。「このマシンの開発中に、我々の目標とフロー管理に対してさまざまなサスペンションレイアウトを検討したが、現在のサスペンションのレイアウトに相応の妥協点が見つかった」
「妥協点については、空力性能、重量、サスペンションのコンプライアンスなどの組み合わせについての話になる」
「はっきりさせておくと、今シーズンにサスペンションのレイアウトを変更する予定はない。そうして開発を通して何を学ぶことになるか、様子を見ていくとしよう。しかしこれまでのところ、この構成には満足している」
シャルル・ルクレールとカルロス・サインツが昨年訴えていた主な問題のひとつに、『SF-23』のドライバビリティがあった。2024年型も同じリヤサスペンションのレイアウトを維持するなか、このイタリア人技術者と彼のチームは他の領域で状況の改善に取り組んだ、とカルディレは説明している。
「ドライバビリティの項目については、マップを作り、空力のある側面を他の側面よりも優先させることで達成した」
「シーズン中にこの新しいプラットフォームがどうなるか、レースペースに合わせて予選ペースを妥協するという点については、コースに出るときに様子を見ていく。過去のマシンがそうだったように、予選よりもレースフォーマットの方で競争力が高まるという話をするのは時期尚早だ」
しかしカルディレは、リヤサスペンションのコンセプトは同じものにしておく一方で、今年のデザインにはマシンのパフォーマンスとタイヤマネジメントに影響を与える重要なチャンスがあると付け加えた。「昨年のマシンとの主な違いはリヤにある」と同氏。
「ギヤボックス内のインボードサスペンションの位置が前年型とら変更されている。また、これは異なるコンセプトでもあり、少なくとも我々にとっては革新的だった」
「なぜなら、これまでとは違ったインボードサスペンションの管理方法だからだ。フロント部分はコンセプト的には昨年とほとんど変わりはないので、リヤサスペンションの性能にポジティブな前進が見られることを期待している」