Text : Kunio Shibata

 F1中国GP決勝日の朝、上海国際サーキットのホンダ・ホスピタリティ、通称「ホンダ食堂」に入ろうとしたら、入口に鍵がかかっている。「おかしいな、開かないぞ」とドアをがたがたやっていると、あわててケータリングスタッフが飛んできて「いまミーティング中で部外者は立入禁止なんだ」と言われてしまった。

 周辺取材をかけてみると、ミーティングに出席していたのはホンダF1の幹部だけでなく、ロン・デニスをはじめとするマクラーレンのお偉いさんも来ていたようだ。そして議題はどうやら、「来季ホンダの2チーム目への供給に関して」だったらしい。

 ホンダ製パワーユニットの2チーム供給に関しては、すでに昨年の時点で多くの観測が飛んでいた。筆者の知る限りでは、レッドブルとの契約交渉は締結寸前まで進んでいたという。しかしデニスが拒否権を行使して、白紙に戻ってしまった経緯がある。

 今年もデニスは依然として、複数供給に否定的だという。今季のホンダが昨年とは比べ物にならないほど戦闘力があるだけに、なおさらライバルたちには渡したくないのだろう。一方でデニスを除くマクラーレンの幹部は、意外に柔軟な態度を見せていると言われる。

 バーニー・エクレストン、FIAジャン・トッド会長からのパワーユニット複数供給への圧力は、いっそう強くなっている。しかも、すでにいくつかのチームが打診してきたようで、ホンダとしてはできるだけ早く供給先を決めたいところだ。しかしデニスの態度は、かなり頑なであるらしい。今後もグランプリの週末のたびに、この種のミーティングが繰り返されることになりそうだ。

中国GP決勝日の朝、厳重に締め切られた「ホンダ食堂」
中国GP決勝日の朝、厳重に締め切られた「ホンダ食堂」

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