以下が、テレビカメラの前で行われた両者のやりとりだ。最初にクビアトがベッテルにスタートの件について話しはじめる。
ベッテル:スタートについて聞いているのかい? もしあのとき僕が左にマシンを寄せなかったら、3台全員がクラッシュしていただろうね。
クビアト:うーん……。
ベッテル:「うーん」じゃないよ! まるで魚雷のようだったじゃないか!
クビアト:レースだから、しょうがないよ。
ベッテル:僕が、あのままラインをキープしていたら、お互いクラッシュしただろう。
クビアト:そうしなかったよね。
ベッテル:君のことを避けようとしたら左側にマシンがいて接触したんだよ。
クビアト:すべてのクルマを見ることなんてできないよ。目はふたつしかついていないんだからさ。
ベッテル:そんな走りをしていたら、いつかクラッシュするぞ。
クビアト:ボクたちは、しなかっただろ?
ベッテル:そうだよ! レースだって言うのはわかるけど、あの状況で何が起きるか、わからないのかい? 今回は運が良かったんだ。
クビアト:お互い表彰台を獲得できたから問題ないだろう。