メドウによれば、タイヤウォーマーは4輪とも機能していなかったという。それなのに、リヤの内圧だけが急上昇したのは、バーレーンのサーキットがトラクションを必要とするリヤリミテッドだったからだと説明した。
この日、メルセデスAMGが犯した設備の不備はもうひとつあった。それはタイヤ交換用のエアガンがきちんと作動しなかったことだ。メドウはこれについても、次のように状況を語ってくれた。
「何らかの原因で、ガンツリーの電気系に問題が生じ、エアガンを作動させる空気圧が正常に働らかなくなってしまっていた」
これが原因でメルセデスは2台ともストップ時間が余計に掛かってしまい、さらにはエアガンのトラブルとは直接的ではないにしろ、ダブルピットインの際にルイス・ハミルトンはピットロード入り口で余計なスロー走行をし、5秒のタイムペナルティを食らう3つめのミスを起こしてしまった。
バーレーンGPのメルセデスAMGは、レース序盤はボッタスがセバスチャン・ベッテルから、1回目のピットストップ直前にはハミルトンはダニエル・リカルドからプレッシャーかけられていたが、じつは2人から勝利を奪ったのは、別の「プレッシャー」が理由だったわけである。