更新日: 2024.09.07 17:54
【F1速報からちょい読み】主要人物を失い弱体化著しいレッドブルの内部事情。大打撃移籍はフェラーリにも
Translation:F1 Sokuho
F1においてもっとも知名度の高いイタリアンチームであるスクーデリア・フェラーリも大きく変化を迎えている。
まず、チーム生え抜きのエンジニアであり、代表を務めていたマッティア・ビノットがチャンピオンシップを逃した責任をとり、2022年末にチームを去ることになった。
念のために書いておくと、フェラーリが最後にドライバーズ・タイトルを獲得したのは2007年のキミ・ライコネン、コンストラクターズ・タイトルは2008年のことだ。
新たなチーム代表にはアルファロメオF1からフレデリック・バスールが抜擢され、彼はチームに大きな変革をもたらすと宣言した。
最初の変化はチーム代表の補佐的役割を担っていたローラン・メキースの離脱で、彼はRBのチーム代表となった。新たなスポーティングディレクターにはディエゴ・ロベルノが就任している。
「将来的には、多くの優秀なスタッフを獲得することになっている」とバスールはチームの先行きを述べる。
「だが、それには時間が必要だ。理想的には数カ月単位で獲得していきたいが、多くの場合、1年以上かかる場合もあるんだ」
昨年3月には、やはり2022年の王座奪還失敗の責任を取らされて車両コンセプト設計責任者のデビッド・サンチェスがチームを去っている。そして1年後、バスールが構想するビッグネームによる新体制の一部が発表された。
シャシーパフォーマンスエンジニアリング部門の責任者にロイック・セラ、チーム副代表にはジェローム・ダンブロシオが就任。いずれもメルセデスから引き抜いてきた人材だ。
だが、今年7月には大打撃となる移籍劇が明らかになった。過去20年にわたってフェラーリに貢献してきたエアロダイナミスト、シャシー・テクニカルディレクターだったエンリコ・カルディーレがアストンマーティンに引き抜かれたのだ。契約金、ポストとも相当に巨額なものだったと推測できる。
2025年からのルイス・ハミルトン獲得はバスールの新体制を敷くにあたって、もっとも大胆な行動であり、ハミルトン加入に続き、多くのスタッフがフェラーリに加入してくるだろう。
しかし、このチームの問題は人材流動性が高く(その意味ではレッドブルに似ている)、新しいポジションに馴染むにはかなりの時間がかかるところにある。
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F1速報2024年10月号では、選手権連覇に黄色信号が点るレッドブル技術部門の重鎮ポール・モナハンが語るRB20の現状、フェルスタッペンの相棒は誰になるのかといった来季へ向けたストーブリーグ情報、大躍進マクラーレンMCL38を中心とした各車のアップデート情報など、読み応えある企画満載。
とくに今号は5年ぶりにフェラーリがイタリアGPを制したこともあり、記念号の意味合いでもゲットする価値は十分だろう。F1速報2024年10月号は現在発売中だ。
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