F1パドックに流れたここ一連のニュースで一番悲しさをともなったのが、アルピーヌ関連の話題だろう。
簡単に振り返ると、昨年7月、2021年から新たに立ち上がったアルピーヌ・ブランドCEOのローラン・ロッシの采配による戦績不振が続いたことに業を煮やしたルノー・グループCEOのルカ・デ・メオは彼を解任。
続けてグランプリ現場の責任者だったチーム代表のオットマー・サフナウアーとチームマネージャーのアラン・パルメインも解雇されてしまった(パルメインは後にRBに移籍)。同時に、ベネトン時代にエンストンのチームを成功に導く基礎を作り、もっとも尊敬を集めていたエンジニア、パット・フライもその際に離脱した。
「アルピーヌでトップの座を獲り戻すべく献身していたころが懐かしいよ」と語る彼は、からくもこのタイミングでウイリアムズに移籍できた。
その後、2024年に入ってからも早々にオペレーションディレクターであり“ルノー・エンジンの魔術師”ロブ・ホワイトがチームを去り、開幕戦バーレーンGPの夜にはテクニカルディレクターのマット・ハーマンと空力責任者のディルク・デ・ビアの離脱が発表された。
そして6月、デ・メオCEOは元ベネトン&ルノーF1のチーム代表だったフラビオ・ブリアトーレをエグゼクティブ・アドバイザーとして任命。7月にはサフナウアーの後任としてチームの指揮を執っていたブルーノ・ファミンが8月末で代表退任し、ルノー・グループのモータースポーツ活動全般を担当することになった。

その代わりとして、ジュニアカテゴリーで活躍するハイテックのオーナーである36歳のオリバー・オークスがチーム代表に就任。さらに5月にはエグゼクティブ・テクニカルディレクターとして、マクラーレンからデビッド・サンチェスが加入している。
ここまでなら、F1ではありがちなチーム体制刷新の流れだろう。だが衝撃的だったのは、ファミンが退任する前に、ルノーが2026年の新世代パワーユニット開発から撤退することを知らされていたことだ。
「とても悲しいニュースだ」と1977年ルノーF1活動を開始した際にチーム代表だったジェラール・ラルースは、この報せを嘆いた。
「本当にショックだ。メルセデスから供給を受けるパワーユニットを積んだアルピーヌのレースカーがグランプリを走るなんて、本当に馬鹿げているよ」


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