レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーと、マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンは、これまでも不仲ではあったが、ふたりの間の確執は今やより顕著になってきた。
Netflixで配信されているF1のドキュメンタリーシリーズ『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』特別編の最新版では、ホーナーがブラウンについて言及する際、非常に攻撃的な言葉を使用している場面がある。メルボルンでブラウンは、ホーナーとの関係と彼らの確執がNetflixによって演出されたものであるかどうか尋ねられると、「確執は本物だ!」と明言した。
「私は彼のやり方が好きではないし、彼も私に対して同じ気持ちなのは間違いない」
「これはスポーツにとってはよいことだ。こういうライバル関係は必要だ。友好的なライバル関係もあれば、もう少々敵意を含んだライバル関係もある」
ドライバーやエンジニア、その他F1に関する問題の論争の結果というよりも、ブラウンとホーナーがその他の理由で長い間お互いを嫌っているというのがパドックでの感触だ。それはおそらく彼らの性格が極端に異なっており、そのために彼らのやり方もかなり異なっていることが関係している。FIA記者会見のような公式イベントでさえ、ふたりの代表は常に対立しており、お互いに対する嫌悪感を隠そうとしない。
ホーナーはイギリスのメディアをほぼ全面的に味方につけており、彼らを利用してマクラーレン内部に問題を起こそうとしてきた。しかし、今年ブラウンはライバルに仕返しをしたいようで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の近い将来に関して議論を巻き起こし始めている。
フェルスタッペンが2026年もレッドブルに残留するのは、チームが次の点を証明した場合のみであることは誰の目にも明らかだ。ひとつは、昨年のRB20の欠点がなんであったのかを理解し、マクラーレンと戦えるように勝てるマシンを彼に提供することだ。そしてふたつ目は、パワーユニットの進歩が、2026年の初めから常にレースに勝てる位置にいるというフェルスタッペンの期待に合致していることだ。
多くの関係者は、フェルスタッペンが来年からアストンマーティンに移籍する契約に近づいていると考えているが、オーストラリアGPの週末にブラウンは別の可能性を提示した。フェルスタッペンの将来についてブラウンは、イギリスの新聞『The Telegraph』に対し、「彼は今年末に退団すると思う」と語った。
「おそらくメルセデスへ行く」
「エイドリアン・ニューウェイが加入するアストンマーティンの話もある。しかし、エイドリアンがどれだけ素晴らしく、最も偉大だとしても、周りにはチーム全体が必要だ。文化が必要なのだ。それには時間がかかる」
「もし私が賭けるなら、メルセデスに賭けるだろう。過去10年間で、彼らは7、8回タイトルを獲得している。昨年は5レースで優勝し、安定性がある。トト(・ウォルフ/メルセデスのチーム代表)が彼を気に入っていることはわかっている。そして、来年の新しいエンジンのレギュレーションに向けて、パワーユニットの面ではHPP(メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズ)が最も優れた設備を備えていると、我々全員が感じていると思う」