元レーシングドライバーで、F1チーム『ジョーダン・グランプリ』の創設者であるエディ・ジョーダンが76歳で亡くなった。現在このチームを引き継ぎアストンマーティンF1として所有するチームオーナーのローレンス・ストロールと、CEO兼チーム代表のアンディ・コーウェルがコメントを発表した。
ジョーダンは1970年代の終わりにジョーダン・グランプリを創設し、1991年よりF1に参戦した。1998年にはデイモン・ヒルがチーム初優勝を挙げ、以降参戦を終了する2005年までに4勝を挙げている。また、2002年には佐藤琢磨がジョーダン・グランプリからF1デビューを果たした。
ジョーダン・グランプリのF1参戦終了以降、チームはミッドランドF1、スパイカーF1、フォースインディア、レーシングポイントを名前を変えつつもF1への参戦を続けており、2021年からはアストンマーティンのワークスチームとして活動を継続している。
チームオーナーのストロールはジョーダンの死去に際し、次のようにコメントした。
「エディ・ジョーダンは真のレーサーで、素晴らしいリーダーで、このスポーツにおける最も重要な人物のひとりだった。彼は私が30年以上前から知っている友人だ。とても寂しくなるだろう。私とアストンマーティンの全員の思いは、彼の家族と友人とともにある」
またCEO兼チーム代表のコーウェルも、ジョーダンのビジョンが現在のチームの基礎を築いたとその唯一無二の存在を称えた。
「エディ・ジョーダンはずっとモータースポーツにおける偉大な人物のひとりだった。唯一無二の存在で素晴らしい人間であり、このチームを創設し1991年にF1へと導いたカリスマ的リーダーだった。彼のビジョンは我々にとっての基礎を築き、モータースポーツコミュニティ全体に永遠の遺産を残した。今日、我々はこのスポーツの伝説的な人物に敬意を表す。我々の想いは彼の家族、友人、同僚とともにある」
ジョーダンはチーム売却後、BBCやChannel 4でF1の解説を務めたり、デビッド・クルサードとポッドキャスト番組に出演してファンを楽しませてきた。しかし昨年12月、癌の診断を受けたことや、癌の進行が早く転移が見つかったことなどを明かしていた。