Text:Midori Ikenouchi

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権を主催していたITRの代表を降りた後は、家業の運送業に専念し、小学校低学年である愛息のカート研鑽に帯同し、プライベートでは親友のジャン・アレジとスキーを楽しむなど、和やかな日々を送るゲルハルト・ベルガーに、現代モータースポーツのよもやま話を聞いた。

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──あなたが幼少の頃からよく知るミック・シューマッハーは、今年も残念ながらF1へのカムバックが叶いませんでした。その望みは失っていないものの、今年は数多くのルーキーが参戦したことで非常に厳しい状態です。

ゲルハルト・ベルガー(以下ベルガー):もちろん誰だってF1ドライバーでいたいし、彼がF1に戻りたい気持ちも非常に分かるが、彼はシートを失った。それもポテンシャルを見せてのシート喪失ではないだけに、カムバックすることはとても難しい。厳しく、冷酷かも知れないがそれが現実だ。もちろん彼が這い上がって、ふたたびF1でシートを得られるに越したことはない。

──ミックはF1復帰の望みを捨てず、次のF1レギュラーシート獲得までWEC世界耐久選手権に参戦するアルピーヌのドライバーとしてハイパーカーを駆り活躍しています。

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