レースに戻ろう。1コーナーで起きたバルテリ・ボッタス+ライコネン+マックス・フェルスタッペンの事故に関して、スチュワードのトム・クリステンセンは何らペナルティを科さなかった。
ル・マン24時間王者の彼はこれまでも公平で適切なジャッジをしてきている。今年からゆるやかな罰則判定の新方針に変わり、ペナルティが乱発されるケースが減っている。
レースの本質を損なわないぎりぎりのプレーであれば、バトルする自由と権利をドライバーたちに委ねるべきだ。
38周目、ピットアウトしたセバスチャン・ベッテルと追い上げてきたハミルトンの1コーナー接触もおとがめなし。
その前、25周目のベッテル対ボッタスの攻防も1コーナー進入時にフェイント・アクションをとり、ラインを変えたベッテルに「アウト(!)」の判定はなかった。
00年代以前にはこうした緊迫プレーがあちこちで見られ、ドライバー力の差異がはっきり分かり、個性やキャラクターがアピールされた。

一方で中盤にバーチャルセーフティカー(VSC)導入のきっかけを作ったストフェル・バンドーン対フェリペ・マッサの接触には、ペナルティが科された。