
ホンダもシボレーもこれは同じ条件だが今年の流れからは、ホンダ勢が予選上位を占めたのに対しシボレー勢はレース・モードだと対等に近く、単独走行(トーイング無し)のペースは良好。予選後の22日フリー走行にニュー・エンジンを投入したシボレー系チームもある。
昨年ポールポジションのジェームズ・ヒンチクリフ(ホンダ)は230.760MPH、それをディクソンが232.164MPHで更新。5位のアロンソも超えた。21年ぶりのスピードアップが著しい今年、F1王者がルーキーとして挑戦してきたことがインディのドライバーたちに刺激(ショック)をもたらしたのは確かだ。

――第100回大会では新人ロッシがアンドレッティ・チームとともに、予選11位から“8回ストップ戦略”を遂行。メンバーからアシストされ、燃費ぎりぎりでファイナルラップを4.4975秒差で勝ちとった。
僕はメインスタンドにいたが周りの観客は、「ロッシって誰? そうか、マノーF1から来たルーキーなのか(!)」と大騒ぎ。第100回記念大会でシボレーを破り日本のホンダが1-2、F1から来た無名ルーキーがアメリカン・ドリームを叶えたのだ。
真のレーサーならは『世界3大レース』のひとつには挑むだけの価値がある――大観衆40万人の中で思いを新たにした。
きっと彼も2列目グリッドからスタートするとき、今まで見たことがない光景に武者震いするのではないか。栄光への500マイル、最後まで気を付けてアロンソ……。