カナダGPのレース後、長谷川総責任者は次のように語っている。
「次のアゼルバイジャンGPに入れるICEは、(カナダGPと)まったく同じスペックになることはないでしょう。必ず、なんらか(新しいものが)入ります。それがステップ3になるのか、ステップ2.5になるかはまだわかりません」

カナダGPで使用したエンジンは、スペインGPとモナコGPで使用した2基目だったが、レギュレーションで許されるFIAによって封印されている範囲以外のエリアをモディファイしたエンジンとなっていた。
モナコGPのエンジンがステップ2だったとしたら、カナダGPのエンジンはステップ2.1だったといっていいだろう。つまり、ホンダがアゼルバイジャンGPに持ち込むエンジンは、スペック2.2から2.9のいずれかになるだろうと考えられる。
技術的な観点以外にも、ホンダがアゼルバイジャンGPに性能を向上させたエンジンを投入するだろうと考えられる理由がある。それは「マクラーレン対策」だ。今回、マクラーレンはホンダがカナダGPにアップグレードを持ち込めなかったことにひどく失望していた。