なんとかハミルトンは2位でフィニッシュしたものの、高温状態でレースを走りきった1基目のICEを、チームは「もうレースでは使用することはない」と金曜日用にストックすることを決めた。スペインGPでは、中国GPのレースで使用した2基目を使用するという。
さらにハミルトンは今回MGU-HとTCを新しく用意し、22人のドライバーの中で今シーズン初の4基目に突入する。そのMGU-Hは信頼性の改善を目的に変更された仕様で、今回ハミルトンだけが使用する予定だ。ただしメルセデスのスタッフによれば「対策は行ったが、まだトラブルの原因が100%特定できていない」と、不安をのぞかせている。
ハミルトンの状況が深刻なのは、今回4基目となるMGU-HとTCのうち、すでに2基が完全にブローして使い物にならなくなっていることだ。つまりスペインGPを含めて、残り17戦を3基で回さなければならない。これは事実上不可能で、制限を超えて6基目を使用することは必至。つまりハミルトンは今後どこかのグランプリでペナルティを受けることを意味する。
第4戦を終えてのドライバーズ選手権ポイントは、ロズベルグが100点でハミルトンが57点。その差は43ポイントだが、実際には数字以上の差が両者の間に横たわっている。