
そこでFIAは最近になって、移動式のインジケータをピットレーンの入口に設置して、わずかな方向転換で計測できるようシステムを変えた。今戸が立っているのは、そのインジケータの前。マシンが止まると自動で計測され、車重がプリントアウトされ、それをドライバーに渡すのが任務だという。
「セッション中、特に予選ではドライバーはすぐにもピットに帰って次の準備をしたいので、ウェイングが終わるとエンジンをかけてすぐに発進してプリントアウトされた検査結果を受け取らないドライバーもいます。そういうときはその場に残っているメカニックに渡します」という。
なお、ウェイングはFIAが任意で抜き打ちするのだが、その判断は技術委員のジョー・バウアーに任されているという。その基準はセッション中に突然速くなるなど、通常とは違う何か行なっている可能性があるマシンを、バウアーが長年のカンで見抜くのだという。その鋭い目は、最後となるマレーシアGPでも光っていた。