ALO「ギャップは見れば分かる。それよりも僕が知りたいのは、今僕らがどんな戦略で戦っているのかということだ。プランBなのか?」
MCL「プランBだ。PERは+2.4秒。前はOCO(オコン)とVAN。OCOを逆転するチャンスだ」
18周目、ピットインせず走り続けるバンドーンがオコンとアロンソの間に入ると、チームはバンドーンに援護射撃をさせようとした。
MCL「ALOの後ろにPERがいる。彼を行かせたらPERを少しホールドアップできないかトライしてみよう」
アロンソにもそれが伝えられるが、チームは理論上の最速戦略である2ストップから、混戦の中団グループでライバルを抑えて戦う1ストップのプランBへの切り替えを想定している。アロンソは1ストップ作戦のためにタイヤをマネージメントすべきなのか、2ストップ作戦のためにプッシュすべきなのかが明確に伝えられず、苛立ちを募らせる。
MCL「PERは+1.6。VANは君を抑えない、マキシマムペースが必要だ」
ALO「混乱してるよ、マキシマムペースで走らなきゃいけないのか、(抑えて走って1ストップの)プランBにするのか?」
MCL「我々は実質的に7位にいる。みんなバックアップタイヤを履いていて同じ戦略だ。タイヤに気をつけなければならない」
ALO 「分かってるよ! だけど簡単じゃないんだ!」
しかしこのまま行けばなんとかフォース・インディアの1台を抑えて7位でフィニッシュできるかもしれない。そんな展開が見え始めた矢先の24周目、MGU-Hに異変が起こった。冷却水の水圧が落ち、それを検知した制御系がMGU-HとTCの作動を止めた。
ALO「エンジンにトラブルがあると思う」
MCL「バックオフしてくれ、バックオフ」
ALO「信じられない。あぁ……また6ポイントか8ポイント失った」
MCL「分かっている。バックオフしてBOXしてくれ。リタイアする」