そのため、マシンはいつもよりも冷却系の開口部を大きくとる。これによってドラッグ(空気抵抗)が増加するが、そもそも空気が希薄なためドラッグも小さいから、受ける影響も小さい。
だが、そのことは別のハンデを背負うことを意味する。それはメキシコGPではダウンフォース量が少なくなるということだ。あるチーム関係者は「メキシコGPでは高ダウンフォース・パッケージに近いものを用意するだろう」と語る。
それでも、金曜日のフリー走行での最高速は354.3km/h(ルイス・ハミルトン)だった。つまり、モンツァと同じようなダウンフォースレベルで走っているため、セクター2やセクター3で、コースオフしたり、スピンするドライバーが続出するのである。
空気の薄さはマシンだけでなく、ドライバーにも影響を与える。酸素の摂取量が通常よりも減少するため、肉体的なハンデが大きくなる。
もちろん、人間には順応性があり、メキシコで暮らしている人にハンデはない。あるフィジオによれば、「2週間もすれば、順応するだろう」と言う。しかし、メキシコGPはアメリカGPと2週連続開催であるため、ドライバーは4日間で対応しなければならない。
肉体的に最も厳しいのが、日本から移動して来たピエール・ガスリーだ。彼は高地対策ができていないだけでなく、14時間という時差とも戦わなければならないからだ!!