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「タイヤが良すぎて、当初想定していた以上の入力がサスペンションに悪さをしたのでしょうね。マシン自体の剛性感などには全く問題はありませんでしたから」

 当時の富士スピードウェイのコーナーで、最もスピードが乗る最終コーナーでのアクシデント。長谷見自身には奇跡的に怪我はなかったが、コジマKE007のダメージはモノコックにまでおよび、翌々日の決勝までには修復が不可能だと思われた。

 ところが、ここからまた日本のコンストラクターたちはその底力を世界に見せつける。富士スピードウェイ脇の通称『大御神レース村」から各ガレージの面々が集い、無償で修復作業をサポート。ほぼ造り変えが必要だったコジマKE007を日曜日の朝にはコースに送り出したのだ。

鈴鹿サーキットを走るコジマKE007
鈴鹿サーキットを走るコジマKE007

「朝、走り出したらラック・アンド・ピニオン(ステアリング機構の根幹部分)が渋くなっていて、切ったステアリングを全て自分で戻さないといけない状態。しかも雨の中だったからまともに運転することすら難しかった。完調では無いマシンの中で、そこが一番つらかったかな」と長谷見氏。

 それでも「まっすぐにすら走らない状態だったけど、協力してくれたみんなのことを思うとね。」と決勝レースを走り切り、11位で完走したのだった。

 今回、残念ながら長谷見氏が操るKE007の姿を見ることはできないが、40年も前にF1で共に上位を目指して戦ったコンビが、同じ場所でファンに対してモーターレーシングの素晴らしさを改めて伝えてくれている。

 明日の天気は「晴れ」という予報なので、ぜひ鈴鹿サーキットを訪れて、各車のサウンドとともに、ひとりと一台の素敵なコレボレーションにも思いをはせてみてほしい。

コジマKE007
コジマKE007

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