首位を行くリカルドはウエットタイヤで走り続けていたが、23周目にピットに入ってインターミディエイトに交換する。これでハミルトンがトップに立ち、ウエットタイヤのままでステイアウト。リカルドがハミルトンに追いついたとき、だいぶ路面は乾いてきていた。ハミルトンは31周目にピットに入り、ウエットからインターミディエイトを挟むことなく、ウルトラソフトへと交換。その翌周にリカルドもドライタイヤに交換するべくピットへ向かったのだが、ここで大きな落とし穴があった。
リカルドはレッドブルのピットボックスに停止したものの、なんとタイヤが用意されていなかったのだ。スーパーソフトを装着して、ピットアウトするまでに10秒以上の時間を費やしてしまった。コースへ戻った時点で、前にいたのはハミルトン。結局このピットでのロスタイムが、勝敗を決してしまった。
その後もリカルドは果敢にハミルトンを攻め、シケインでの接近戦ではハミルトンのブロックが審議対象となったが、ペナルティが出ることはなく、リカルドはコース上で逆転するしかない。
トップを走るハミルトンにとって、懸念はウルトラソフトタイヤの耐久性だったが、むしろ終盤はリカルドのペースが鈍り、6戦目にして、待ちに待った今季初勝利を果たした。
かたやポイントリーダーのロズベルグは、チェッカー直前にニコ・ヒュルケンベルグに先行を許し、7位と惨敗。今回の勝利でランキング2位となったハミルトンに対して、依然24ポイントのリードがあるとはいえ、今後に不安を残す失速だ。