ところがレッドブルでは、指揮系統に問題が生じていた。レースは46周を残す状況で、チームはドライタイヤのスペック選択に迷い、ピットクルーへの指示が遅れる。結果リカルドが戻ってきたとき、まだ選択したスーパーソフトの準備は完了していなかった。リカルドはピット前で、10秒ほどの貴重な時間を失うことになる。このロスにより、わずかな差でハミルトンに前に出られてしまった。

ぎりぎりで成功した勝者と失敗したロズベルグ

 ハミルトンは耐久性が不安視されたウルトラソフトで、実に78周中47周の周回をこなし、2008年以来のモナコ2勝目を飾った。だが、これも抜けないモナコゆえの、まさに「綱渡り」──。

 僚友ロズベルグはハミルトンと同じ31周終わりに連続作業で同じウルトラソフトを履いたが、最後にはタイヤが終わってしまい、フォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグにフィニッシュ目前、6位のポジションを明け渡した。ハミルトンは新品、ロズベルグは使用済みの違いはあったにせよ、メルセデスの戦略はタイヤ寿命がいつ尽きるかはわからない、ぎりぎりの選択だったのだ。

本日のレースクイーン

七星じゅりあななほしじゅりあ
2025年 / オートサロン
尾林ファクトリー/東京オートサロン2025
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    もっと見る
  • auto sport

    auto sport 2025年4月号 No.1606

    [検証]F1史上最大の番狂わせ
    ハミルトン×フェラーリ
    成功の確率

    詳細を見る