2017年から導入されるF1のコックピット保護デバイスとして、FIAがハロを選択したのは、エアロスクリーンがいくつかのテストに合格できなかったためであることが、英AUTOSPORTの取材でわかった。
ハロの採用は、先月のテクニカルレギュレーション作業部会の会合で承認された。だが、その時点では、時間的な制約を考えると、レッドブルの代替案であるエアロスクリーンのコンセプトは開発が間に合わないというのが、不採用の理由とされていた。
しかし、この会合の前日、FIAはこのエアロスクリーンについて、独自のテストを行っていたという。
レッドブルは、すでにエアロスクリーンに向けてホイールを投射する、静的なテストのビデオを公開していた。だが、FIAが行った同様のテストでは、不合格との評価を受けたようだ。
消息筋によると、「エアロスクリーンに対する最近のテストでは期待された結果が出ず」、「さらなる開発が必要である」ことが明らかになったという。

指摘された問題点のひとつは、ドライバーのヘルメットとエアロスクリーンのリムの間の「フリーエアボリューム」に関する懸念だった。つまり、エアロスクリーンを装着したクルマがクラッシュしたり、アクシデントに巻き込まれたりしたときに、ドライバーのヘルメットがスクリーンの縁の部分に当たって、頭部にかなり大きなGが発生する可能性があることがわかったのだ。また、現時点でのデバイスの全体的な強度も、もうひとつの懸念材料となったようだ。
これに対して、ハロにはそうした問題はないと考えられおり、前出の消息筋は、ハロが「2017年に現実的に導入可能な唯一のソリューション」だと述べている。