Kenji Mizugaki

 メルセデスは、今季からチームの指示によるドライバーへの制約を緩めると明言した。トト・ウォルフによれば、いまやルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグは互いに理解を深めているからだという。

 ハミルトンとロズベルグは昨年も順位を争うことを許されてはいたが、どこまで異なるレース戦略を採れるかなどについて、いくつかの制限を設けていた。現世界王者のハミルトンは昨年メキシコとブラジルの両GPでチームの決めた戦略に疑問を投げかけ、すでにタイトル獲得を決めた後とはいえ、ロズベルグの背後の2位でレースを終えている。

 先日シュツットガルトで開かれたメルセデスのプレシーズンイベントで、ウォルフは無線に関するルールの厳格化によりピットウォールから出せる指示の範囲が狭まることもあって、今年からドライバー同士の戦いに関する制限を「減らした」と述べた。

 メルセデスはプレシーズンテストをほぼノートラブルで終え、どのチームよりも多い走行距離を記録したが、ライバルのフェラーリも明らかに進歩しているように見えた。フェラーリとの争いが接戦になった場合、チームメイト同士の取り決めを緩和することがリスクにならないかとの質問に、ウォルフはこう答えた。

「そうは思わない。ルールを緩めたのは、互いに相手を尊重しながら仕事ができるようになってきたからだ。このチームではメンバー同士が互いに最大限の敬意を払っている。これまでもそうだったし、それは今年も変わらないと思う」

「レギュレーションが変わったこともある。今年はレース中にエンジニアからドライバーに出せる指示が制限される。レース戦略、タイヤの使い方、クルマの走らせ方についてのアドバイスができなくなり、どう戦うかはドライバーに任される部分が多くなる」

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