ドイツの「Auto Motor und Sport(アウト・モーター・ウント・シュポルト)」誌は「ヨーロッパGPで、メルセデスが最新式のデバイスを使用して、ピレリが定める最低内圧を巧みにクリアしている」と報じた。
同誌によれば、電気によって高温に熱された空気をブレーキダクトから送り込み、ブレーキとアクスル(車軸)を高温に保ち、タイヤをセットしたときに内圧をクリアする。外してフォーメーションラップを走り始めると、内圧が下がる仕組みではないかというものだ。
これが事実ならば、メルセデスは限りなく違法に近いトリックを使っていることになるが、オーストリアGPのパドックで、この件が話題に上がることは少なかった。なぜライバルチームは沈黙を貫いているのか。あるチーム関係者が理由を語る。
「メルセデスがそのデバイスを使用していることは、かなり前からみんな知っている。彼らが使いはじめたのは、バクーからではなく、もっとずっと前だからね」
そこで過去の写真を探してみると、スペインGPスタート前のグリッドで、今回「Auto Motor und Sport」が伝えたデバイスを使用している写真が見つかった。少なくとも2カ月以上も前から、メルセデスは話題のデバイスを使用している。それでもライバルたちは表立ったアクションを何も起こしていない。