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投稿日: 2016.07.05 08:03
更新日: 2016.07.05 10:52

GP topic:問題となった「縁石」なぜレースではトラブルが起きなかったのか


F1 | GP topic:問題となった「縁石」なぜレースではトラブルが起きなかったのか

 確かに8〜9コーナーのアウト側にある縁石は、内側が「バレルンガ」と呼ばれる縁石(水色の枠内/写真はセパンの3コーナー)と、その外側に「メルボルン」と呼ばれる縁石(黄色の枠内/写真はバルセロナの最終コーナー手前)が並んで設置されている。

 バレルンガは進行方向に向かって垂直に傾斜する段差を設けている縁石で、古くから使用されているものだ。これに対してメルボルンは、グリップ力が落ちるよう段差が複雑に組み合わされている。クビアトの事故は、左側がソーセージに乗り、右側が2種類の縁石に乗ったことで、サスペンションに異なる周波数の振動が伝わって、結果的に右リヤサスペンションが折れたのではないだろうか。

 ロズベルグの事故現場となった2コーナーは、1種類の縁石しか設置されていないが、事故が起きたのはフリー走行3回目で予選シミュレーションに入って、セクター1を最速で通過した直後だった。つまり通過速度が速かったことで、それまでとは違う振動がサスペンションに伝わったのかもしれない。

 ロズベルグのケースについては、ラップタイムが速いメルセデス特有の問題だった可能性もあり、その直後にアタックへ出たルイス・ハミルトンにはチームから縁石に必要以上に乗らないよう指示が出ていたため、事故を回避できたとも考えられる。

 予選でクビアトとペレスの事故以降、トラブルが起きなかったのは、Q2とQ3が雨がらみとなったため。さらに決勝レースでは満タンでスタートしてタイヤを労らなければならないため、そもそも縁石を多用するほどコーナーを攻めなかったことが、幸いしたのではないだろうか。もちろん予選までに起きたトラブルにより、ドライバーやチームが縁石に注意していたことも、大きな要因だろう。


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