
コンピューターによるストレス検査はあくまでバーチャルなものであり、できるだけサーキット走行に近い環境での試験が必要になる。そのために不可欠なのが、テストベンチである。
F1チームのファクトリーには、サスペンションベンチ、ギヤボックスベンチ、エンジンベンチなど、さまざまなタイプのテストベンチが備えられている。
なぜなら実走行中に起こるトラブルのほとんどは、設計段階では見逃されてしまうごく些細なミスが原因だからだ。それを発見するには実際のパーツを組み込んで作動させる、テストベンチの存在が不可欠となる。
ここで異常なしとされ、期待した強度も確認できて初めて、デジタル化されたデザインが実際のパーツとして製造される。その製造過程については、次回の第4章『マシン製作』で紹介しよう。