クリスチャン・ホーナーも「合同テストの間にコンマ4秒ほどマシンを進化させることができた」と語っていることから、空力の開発が順調に進んでおり、さらに開幕戦までに進化するものと考えられる。
というのも、8日間のテストを終えて9チームはカタロニア・サーキットを去ったが、レッドブルだけは残り、翌日もフィルミングデーを利用した100km以下の走行を行っていたからだ。
ただし、レッドブルにはふたつの懸念材料がある。ひとつはエイドリアン・ニューウェイがチーフテクニカルオフィサーというポジションでチームに残るものの、今後の開発を指揮はテクニカルディレクターに昇格するピエール・ワシェが引き継ぎ、空力責任者のダン・フェローズともう一人のチーフデザイナーのポール・モナハンとともに開発していくと報じられているからだ。この3人は2016年のマシンを開発した中心人物。果たして、RB14を今後、どこまで進化させられるのか。
もうひとつの懸念材料は、ルノーのパワーユニットだ。あるレース関係者によると、テストでのGPSのデータからルノーのPUは、メルセデスよりも40~50馬力劣っていたという。問題は現在のルノーのPUにこれ以上の伸び代が期待できないということ。
レッドブルとルノーとの契約は今シーズン限り。コース上でメルセデスとフェラーリとレースしながら、コース外では来季以降の契約を巡って、ルノーとの政治的な戦いも行わなければならない。