軌道修正を図ったチームは昨季1年を通じて、17年型に新規開発の上乗せを行なっていった。その結果がシーズン3勝。特に終盤戦でマックス・フェルスタッペンが挙げた2勝は、メルセデスやフェラーリと互角にコース上で争うなかで記録された。18年新車『RB14』は、その終盤モデルの正常進化型だ。空力的な手法や形状に際立った変化はないが、各所にブラッシュアップが施されている。
テスト期間中のベストタイムは、リカルドが後半日程の2日目でマークした1分18秒047。このときにリカルドはピレリ新開発のもっとも軟らかいコンパウンド『ハイパーソフト』を使ったのだが、その後さらにコースコンディションの上がった残り2日間をレッドブルは主にロングランの作業にあてる。
リカルドは最終日午後に予選シミュレーションを1度だけ行なったが、このときに使用したのはハイパーソフトよりも2ランク硬い『スーパーソフト』だった。それでも、最終日トップのフェラーリのキミ・ライコネンからは1秒強のギャップに留めた。ライコネンと同じハイパーソフトをこの日に使っていれば、タイヤの性能差から少なくともフェラーリに匹敵する1分17秒2前後のタイムは出せていたとみていい。

手の内隠しのメルセデスはともかく、フェラーリとは充分に伍して闘える。昨年の同じ時期には考えられなかったことだ。だからこそリカルドは、「開幕を待ち切れない!!」と語っているのだろう。
フェルスタッペンはおそらくメルセデスを意識し、「予選で0.3~0.4秒差以内につけられれば、彼らを捕まえられる。(昨季の傾向として)レースではずっと、ギャップが縮まってくるものだからね」と不気味なコメントを残す。両者に共通するのは“自信”だ。