Translation:Kunio Shibata

(3)規制の抜け穴を見つけた?

F1新車分析:マクラーレンMCL33
F1新車分析:マクラーレンMCL33

 マシン前部には、大きな変更は見られない。特にフロントサスペンションのジオメトリーが変わっていないのには、大いに驚いた。というのもFIAは昨シーズン、マクラーレンを含むいくつかのチームに対し、「トラックロッドに車高を一定にする役割を負わせている」という疑いを抱いていた。具体的にはコーナー手前でのブレーキングを終えた直後に、ノーズとフロントウイングが浮き上がり、ダウンフォースが抜けるのを防いでいたというのだ。

 それを受けてマクラーレンはオーストリアGP以降、アーム取り付け位置を高くするなどの解決法で切り抜けた。12月にはFIAがサスペンションと操舵系に関して、より厳しいディレクティブ(技術指示書)を送付。にもかかわらず昨年型のサスペンションを継続しているところを見ると、マクラーレンの技術陣はレギュレーションの枠内での解決法を見つけたようである。

(4)『V』から『Y』へ

F1新車分析:マクラーレンMCL33
F1新車分析:マクラーレンMCL33

F1新車分析:マクラーレンMCL33
F1新車分析:マクラーレンMCL33

 一方リヤサスペンションは、まったくの新設計だ。通常サスアームはV字型をしている。ところがMCL33の場合、ホイールに届くかなり前の位置で2本のアームが一体化し、「Y字型」になっている。昨年のメルセデスとトロロッソにも同様のアイデアは見られたが、ロワーアームであり、形状も異なっている。アームを一本化したことによる空力効果は、決して少なくないはずだ。

(5)全チーム中最長のスリット

F1新車分析:マクラーレンMCL33
F1新車分析:マクラーレンMCL33


 フロア両脇の長いスリットは、昨年の1本から2本になった。レッドブルやフェラーリにも見られる切れ込みだが、彼らのは1本で、長さもずっと短い。

 その役割は、主に二つが考えられる。まずフロア下により多くの空気を取り込むことで流速がいっそう増し、ダウンフォース増大が期待できること。そしてもうひとつはここから空気をマシンリヤに流すことで、ディフューザーの効率を上げることだ。

本日のレースクイーン

原あゆみはらあゆみ
2025年 / スーパーフォーミュラ
リアライズガールズ
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年6月号 No.1608

    [特集]レッドブル 角田裕毅
    5つの進化論

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円