自己ベストタイムだけを見れば、ピエール・ガスリーは全21人の中で7番手のタイムを記録している。トップのフェラーリ(セバスチャン・ベッテル)から1.182秒差と、充分にポイント圏内が狙えそうにも思える。
しかしこれはメルセデスAMG勢やマックス・フェルスタッペン、フォース・インディア勢、ハース勢が本格的なタイムアタックをしていないためであり、実質的な順位はもっと下になる。
加えて、燃料搭載量のごまかしが利かないフルレースシミュレーションのラップタイムを比較すると、今のトロロッソ・ホンダが置かれた状況がよりはっきりと見えてくる。
メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3強チームが別次元の速さを見せているのは当然としても、その下に続くのがハース、そしてルノーとフォース・インディアがほぼ同等の速さを見せており、中団グループのトップ争いはこの3チームになりそうだ。トロロッソ・ホンダはそこからやや離されて、マクラーレンと7番手のチームの座を争うようなかたちだ。
しかもタイヤのデグラデーションがやや大きいのか、各スティントの後半ではペースが低下している。バルセロナは再舗装がなされたことで過去のデータがあまり参考にならなくなってしまったこともタイヤマネージメントに影響していたようだが、開幕戦までの間にデータの分析によってタイヤの使い方とセットアップを向上させられれば、まだまだ伸びしろはあるのかもしれない。