
開幕戦に嵐を吹き込んだのはハース。ゲームメーカーになりうるだけのスピードがケビン・マグヌッセンにも、ロマン・グロージャンにもあった。だが彼らは悔やみきれないエラーをピット・ワークで犯してしてしまう。
22周目に4位マグヌッセンの左リヤタイヤが、24周目にグロージャンも左フロントタイヤが緩み、2コーナー出口の左側にストップ。
そこは微妙な所だった。マーシャルが人力で排除しようとしていったん“VSC”になったもののそれは無理。重機を入れるためにセーフティカー導入、今季からの新車メルセデスAMG・GTRがデビューする事態に。なんとも皮肉だ。フェラーリ系チームのハースがメルセデスSC導入のきっかけをつくり、結果的にそれが開幕戦フェラーリ2年連続逆転勝利へとつながったのだから……。
総括的に言うと、フェラーリはパフォーマンスで勝ったのではなく、メルセデスもそれで負けたとも思わないままに終わった。『21分の一の闘い』、今年最初から濃厚な味が香り立つ――。

