しかし今季終盤のインディカーのスケジュールのうち、3戦がF1グランプリと重なっており、契約上アメリカでのプログラムを優先する必要があったため、ロッシはマノーからのオファーを断った。
「僕とマネージメントチームは、常にマノーと連絡を取り合っているので、2016年シーズン後半にレース出場の機会がめぐってくる可能性があることは知っていた。実際にオファーがあったときには、じっくり検討させてもらったが、インディカーの契約もあって、マノーでレースをする話は見送ることにした」
「契約どおりに、誰よりも先に僕にオファーをしてくれたマノーには、心から感謝している。彼らとは本当に良い関係を保っているし、悪い感情は一切ない。ただ、僕の将来を考えたとき、F1に乗るなら適切な環境を整える必要があること、また、アメリカで僕のキャリアが良い方向へ進み出していることをマノーは理解してくれた」
ロッシは、2015年にGP2参戦と並行して、マノーからシーズン終盤の5戦に出走した経験がある。そして、まだF1復帰の夢は持ち続けているものの、F1チームと契約するのであれば、長期的に将来を見通したうえで、適切と思えるかたちでなければならないと考えている。
「昨年、僕はF1シーズンのごく一部に参加して、決して悪くない成績を収めた。だが、2016年のフルタイムシートを手に入れられなかった時点で、僕のキャリアは“Y字路”に直面した。同様のリスクを含んだ選択を、もう一度繰り返したくはない」
「僕はF1に乗るために、いままでのキャリアの大半を費やしてきた。その道を歩み続けることができれば、それに越したことはないよ。ただ、以前からずっと言っているように、F1に乗るなら、適切なチームとの適切な契約でなければ意味がないんだ」