スペインGPで判明した不振の原因、モナコで好結果を出すために必要なこと/トロロッソ・ホンダF1コラム
予選で12番手に留まったのも、アウトラップでトラフィックに引っかかり「タイヤの温度が理想的な状態ではなくて、マシンのポテンシャルをフルに引き出せたとは言えないから」という。
ストレートの立ち上がりで遅れを取ることが多いのも、パワー不足もさることながらタイヤの性能をフルに引き出せないことの方が大きいとガスリーは語る。
「原因はパワーユニットではなく車体のメカニカルグリップにあると考えるのが妥当だよ。そしてそれはタイヤから本来のグリップが引き出せていないためで、それは正しい作動温度領域に入れられていないからなんだ。それはセットアップの方法とタイヤの使い方によって改善することができるはずだし、それができれば大きく進歩できるはずだよ」
決勝直前のフィーリングでは、セットアップとウォームアップ方法によってその使いこなしができるようになっていて「最高の仕上がり」になっていたというわけだ。
ガスリーが1周目の事故に巻き込まれてしまいその成果を見せることができなかったのは残念だった。発進加速は良かったものの中央突破を狙ったところを前のマクラーレンとハースに閉じられて行き場をなくし、スロットルを戻してテールライトが点滅しているのが他車の車載映像に捕らえられている。それがなければ事故は避けられた可能性が高いだけに、悔やんでも悔やみきれない。
フリー走行3回目で不注意からターン9入口の芝生にタイヤを落として大きなクラッシュを演じたブレンドン・ハートレーは、決勝の単独走行時にはマクラーレンやルノーと同等の速さを見せていた。しかし最後尾スタートのためガスリーが言うようにタイヤの温度を上手く維持することができず、セルゲイ・シロトキンやマーカス・エリクソンを抜けずに抑え込まれてしまったために本来のペースを発揮することはできなかった。