ホンダは予選までの時間を考慮して、すぐさまガスリーのPUを過去に使用済みのPU(前戦モナコGPまで使用していたもの)にユニットごと交換する決断を下した。
「非常に残念です。また、ここからいろいろと学ばなければならないと思っています」(田辺TD)
予選終了時点でのガスリーのスタートポジションは16番手だが、日曜日に変更が起きる可能性がある。それはレース前に、もう一度、ガスリーのPUを交換する可能性があるからだ。ただし、それは予選で走らせたPUにもトラブルが起きたからではない。予選を走らせたPUはバーレーンGPから使用しているため、カナダGPを終えると、約6戦を走ったことなり、次戦がガスリーの母国グランプリであるフランスGPでは7戦目となる。
もし新しいPUを投入すれば、地元でペナルティを受けることになる。つまり、ペナルティを受けて新しいPUを投入するなら、予選が16番手に終わった今回のほうが得策だという考えがあるからだと思われる。
「このグランプリだけでなく、次のフランスGPをガスリーが気持ちよく迎えてもらうためにどうしたらいいのかを含めて考えたい」(田辺TD)
予選後サーキットでは、昨年復活した「いかだレース」が開催されていた。その楽しい雰囲気を尻目に、ホンダのスタッフは日曜日に向けた難しい決断と向き合っていた。

