■スパルコ×プーマから生まれた転機。フェラーリとのコラボ
そんなブルーノにとって、転機となったのは1998年。スパルコとプーマは、レーシングギアのパートナーシップを結んだ。いまもファッションアイテムとして愛好されているスピードキャットなどが生み出されたのもこのときだ。

その3年後、2社のパートナーシップは終了することになるが、レーシングラインを強化したかったプーマから、ブルーノはオファーを受ける。プーマの一員となったブルーノは、ミナルディ、ザウバーという2チームに供給を始めた。
「彼らにはサプライヤーがいなかったのでね。彼らが小さいチームだったため、融通がきき、求められるものも多くはないと思ったのも契約を交わした要因のひとつだよ」


ブルーノの功績によりF1界に定着しはじめたプーマは、さらに2004年にはビッグチームとの契約に成功する。それは現在もその関係が続く、フェラーリへの供給だ。プーマとフェラーリとのコラボは、ファッションアイテムとしても大きな成功を収めた。
「彼らはそれまでウェアなどの供給を受けていたフィラとは異なった関係を望んでいたんだ。チームウェアをはじめ、レーシングスーツなどあらゆるものの供給依頼を受け、2005年から供給を開始し、このパートナーシップはもう11年になる」

「この良い関係をこれからも続けていきたいね。最高峰のカテゴリーにレーシングウェアを供給することで、技術開発のベンチマークになる。それに、もちろんこの契約は大きなビジネスになったよ。世界の誰もがフェラーリを知っているからね。私のおばあちゃんでさえ知ってるんだよ(笑)」
F1ファンなら知ってのとおり、現在はフェラーリはもちろん、メルセデスAMG、レッドブルと主要チームにレーシングスーツ、シューズ、チームウェア等さまざまなアイテムを供給。また、自動車メーカーともBMWをはじめ、コラボアイテムも登場している。また、世界各国にその愛用チームは増えており、日本でもトムス、インパル、KTR等の名門チームがプーマ製のギアを使用している。






次回は、ブルーノが語るレーシングギアと“速さ”の因果関係についてお届けしよう。