──しかし信頼性の問題は、依然として不安要素です。
ワシェ:性能向上を攻めている時には、信頼性の問題も出るものさ。トレードオフの関係なわけだから。でも致命的なものだとは思わないし、全然心配してない。必ず短期間で対策を講じてくると信じてるよ。壊れないけど戦闘力がないよりは、ずっといい。
──しかし純粋なパフォーマンスでも、ルノーにはまだ追いつけていないのでは?
ワシェ:いや、そうは思わないね。
──そうなんですか。
ワシェ:詳細はコメントできないが、われわれはそう考えている。

──ところで今年から、レッドブルのテクニカル・ディレクターに就任したんですよね。
ワシェ:その通り。
── 一方でマシンデザインは、エイドリアン・ニューウェイの専任事項ですか。
ワシェ:肩書きは変わったけれども、私の仕事自体は以前とほぼ同じだ。開発全体を統括する立場だね。
──ニューウェイは、チーフデザイナーですか?
ワシェ:いや。チーフテクニカルオフィサーだ。これまた開発全体を統括するんだが、よりマシンデザインに特化しているというのかな。われわれ二人で緊密な協力関係を築いてるし、彼との仕事は本当に楽しいよ。そしてニューウェイのようなエンジニアと働けることを、誇りに思っている。
──来季のニューマシン開発に、ニューウェイはどの程度寄与しているのでしょう?
ワシェ:いずれにしても一人でF1マシンは作れないからね(笑)。ニューウェイを中心としたチームワークということだよ。
──今季のRB14の開発に、ニューウェイは例年以上に関わっているとのことでした。
ワシェ:その通り。