実際に、移籍によってルクレールの収入は大幅に増えるだろう。評論家たちは、彼がフェラーリと契約した場合の新たな収入は500万ドル(約5億5500万円)にも相当し、さらにこの額が大きく吊り上がる可能性すらあると予想している。
それでも、仮に契約料がその4分の1ほどだったとしても、その額はひとりのドライバーを個人として大きく変えてしまうかもしれない。
「過去20年間、多くのドライバーがF1にデビューした年に素晴らしい成績を残してきた」とバスールは説明する。
「個人名を出すことはしないが、初めて多額の小切手を手にしたとたん、彼らは問題を抱えてしまっていた」
「彼らは自分がそれまでの人生で知らなかった新しいことを見つけ、そのために自分の本質を見失い、自分が何をやっているのかも分からなくなってしまった。だから、(ルクレールの)今後はどうなるのか予想できない」とバスールは付け加えた。
一方のフェラーリ側も、一夜にして多額の報酬を得たドライバーに起こり得る問題について十分に理解しているはずだ。
「シャルルにとってフェラーリ移籍は大きな飛躍となるだろう」
「だからこそ、これまでフェラーリは非常に若いドライバーの獲得には躊躇してきたのだ。彼らは、ドライバーがチーム内でプレッシャーにさらされることをよく分かっている。それでもシャルルについて言えば、実は私はあまり心配はしていないのだ」