Q1早々から16台がコースイン、インターミディエイトタイヤ(雨用と晴れ用の中間)を装着。フェラーリ勢が1分25秒台後半、ハミルトンも僅差の1分26秒台前半で続く。8分経過するころからウルトラソフトタイヤにスイッチするチームが増え、タイムレベルが上がった。ハミルトン1分17秒419、その後は乾いていく路面でベッテルが1位1分16秒666、ひとまず4番手。
Q2は気温23度/路面温31度にクールダウン、雲に覆われあたりは暗く、また雨が……。インターをサキヨミしたベッテルは的中、すぐに雨脚が強まりベッテルの1分28秒636を超える者はいなかった。ハミルトンは4番手をキープ。
Q3はフルウエットコンディションに一変、ハミルトンがリードしていく。チームの指示もあり、前がクリアで視界もよい絶好のタイミングに1分35秒658。(ちなみに2年前の雨の予選Q1ベストは1分33秒302、あれより激しい雨だった)。
水を得た魚のように泳いだ(いや攻めた)ハミルトン。セクター1=最速32秒561、セクター2=2位35秒541、セクター3=最速27秒456。2番手もボッタス、セクター2=最速35秒424で“雨の豪速メルセデス”がフロントロー占領で証明された。フェラーリを0.5秒以上、レッドブルを2.3秒も突き放したのだ。

興味深いのはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが「ウエットで全くグリップ感が無かった」と語ったこと。
印象としてレッドブルこそ雨に強いと思えたがトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーにも及ばなかった。私見ではあるがあの前傾姿勢(レーキ角)では、フロント車高が低く、路面上にある水膜によってフロア気流が“ストール”してしまうのではないか。ドライ路面だと強大なダイナミック・ダウンフォースを発生しても、ウエットでの「グリップ無し」発言は興味深い……。
レッドブルほどではなくても“レーキ角”姿勢のフェラーリは、コーナリングが連続するセクター2で0.2秒以上劣り2列目後退。あとはスタートだけだ。
ハミルトンはウルトラソフトでルコネサンス・ラップ中に何度もスタート練習。ピット側スタッフもその設定に神経を集中し、彼らは久々にダッシュ成功。
スリップストリームで追いすがるフェラーリ勢をボッタスが防ぐと、それからはハミルトンが主導権を握りタイヤコントロールに努めた。暑い日曜(気温33度/路面温57度)になってもゆとりあるペースでリヤタイヤ温度を管理、オーバー/アンダーな不安定挙動など一度も無かった。最前列勝利=63%、そのハンガリーGP“黄金比率”をハミルトンはまたさらに高めたーー。
