更新日: 2018.08.24 10:33
【小松礼雄のF1本音コラム】中団を制するハースの今後の課題と強み。マグヌッセンが次のレベルに行くために必要なこと
対してケビンは、ハートレーさえ抜けずに12位止まりでした。刻一刻と路面の状況が変わるような展開で、今のケビンはうまく対処することができず、どうしてもラップタイムにバラつきが出てしまうんです。
そこでミスを犯して、さらに焦ってしまう。焦ってしまって、今度はレースの展開・自分の今置かれている位置・状況がわからなくなってしまうんです。雨が降る前のドライでの走りからわかるように、安定した状況でクルマのバランスが良ければ、彼は良いレースをできます。これからの課題は雨など安定しない路面状態の時の対処です。
ケビンのその課題は、ハンガリーGPの予選でも出てきました。Q2の序盤にケビンが9番手、ロマンが10番手のタイムを記録し、その後雨脚が強くなって黄旗が出たところで事実上、このセッションは終わりでした。
なぜなら、雨量がかなり増え、フルウエットタイヤに履き替えなければいけない状況だったのでその時点でタイムの更新は不可能だからです。それでもケビンはフルウエットに履き替えてアタックに出たいと言ってきたのです。
理解に苦しみましたが、議論している時間は無いので、フルウェットで送り出しました。当然、アウトラップで「状況が悪すぎる」と無線が入ってきて、そのまま帰ってきました。
Q3ではその逆のことが起こりました。路面状況は明らかにフルウェットだったので、全員フルウェットでコースイン。2周終えたところでどうしてもグリップが悪いのでピットインして2セット目のタイヤを履くことにしました。その際になんとケビンはインターミディエイトで行こうと言い出したのです。
ラップタイムはまだインターへのクロスオーバー(インターで走れる・インターの方がフルウエットより速いと予測されるラップタイム・路面状況)より7秒くらい遅かったんです。
ですからインターではコースに留まることも不可能な状態です。普通、コース状況を一番良くわかっているのはドライバーですから、ピットウォールがドライバーの判断を覆すことはないのですが、これはあまりにも明らかに間違っていたので、もう一度フルウエットで行くと伝えました。
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