その点、イタリアGPが行われるモンツァは、スパのセクター2のようなコーナーがほとんどないため、ブリスターを恐れることなく、リヤウイングを寝せることができる。つまり、スパと比べて相対的にメルセデスのストレートスピードが上がる可能性がある。
現在、イギリス・スカイ・スポーツのコメンテーターを務め、世界耐久選手権でトヨタのリザーブ&開発ドライバーとして活躍しているアンソニー・デビッドソンは、「ルイスのモンツァでの成績は驚異的」と、コースとの相性も忘れてはならないという。
勝利数ではハミルトン4勝に対して、ベッテルも3勝を挙げており、大きな差がないように見えるが、デビッドソンは「予選でのパフォーマンスを比較してほしい」と指摘する。
そこで予選の成績を見ると、ベッテルが優勝回数と同じ3回のポールポジションを獲得していたのに対して、ハミルトンはその2倍の6回もポールポジションを獲得。しかも、最近は4年連続でハミルトンの独壇場となっている。いかにハミルトンがレスダウンフォースでのマシンコントロールに優れた技術を持っているかの表れといってもいいだろう。
フェラーリPUのパワーが炸裂するのか? それとも、コースとの相性がいいハミルトンが5連続PPを獲得するのか? いずれにしても、全21戦中、ラップタイムの平均速度が最も高いモンツァを制する者が、2018年のF1界の最速ドライバーとなることは間違いない。