Masahiro Owari

 今回のロシアGPは、久しぶりにチームオーダーによって、勝者が入れ替わるレースとなった。しかし、レース後に開かれた会見は、2002年のオーストリアGPや2010年のドイツGPのようにスタンドからのブーイングもほとんどなく、メディアからのバッシングも少なかったように思う。それは、過去の2例と今回とでは、状況が異なっていたからだ。

 まず、勝利を譲ってもらったルイス・ハミルトンがはっきりと「この勝利は僕がこれまで獲得した勝利の中で、最も誇りを感じない勝利だ」と、チームの判断を批判したことだ。これはチームの決定を支持した2002年のシューマッハー、2010年のアロンソとは明らかに違う。

 次に2002年と2010年のときは、レース後に会見を行ったのはドライバーだけだったが、今回はメルセデスがトト・ウォルフ(メルセデス・ベンツ・モータースポーツ責任者)を出して記者会見を行った。これは元々予定されていたレース後の定例会見だったが、このような混乱の後は、キャンセルされても不思議はなかった。しかし、メルセデスは隠れることなく、堂々とウォルフをメディアの前に出して質問に答えさせた。

 その会見でも、ウォルフには多くの非難を受けたが、過去にフェラーリが行なったチームオーダーのときのような一触即発という雰囲気はなく、時に笑いが起きる穏やかな雰囲気で行われていた。その会見でウォルフはこう語って、過去にフェラーリが行なったチームオーダーとの違いを示唆した。

「かつてフェラーリが行なったチームオーダーはシーズンの中盤だった(2002年のオーストリアGPは17戦中6戦目、2010年のドイツGPは19戦中11戦目)。今回われわれが行なったのは、全21戦の第16戦、残り6戦という状況だ。これでルイスとセバスチャン(・ベッテル)の差は50点に広がったが、オーストリアGPのようにわれわれがリタイアして、セバスチャンが優勝したら、その差はすぐになくなる」

「われわれがリタイアしなくとも、フェラーリがこのあと連勝するかもしれない。モンツァで彼らがフロントロウを独占したことを忘れないでほしい。もし、今日チームオーダーを出さず、しかも最終戦でルイスが7点差でチャンピオンシップを落とすことがあれば、やはり皆さんはわれわれを非難するだろう。なぜチームオーダーを出さなかったのか、と」

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