F2以外で最も注目に値する若い才能は、現在F3に参戦中の、ミック・シューマッハーやダニエル・ティクトゥムだろう。ごく平凡な2018年シーズンのスタートを切ったシューマッハーだったが、完全に勢いを盛り返し、彼にふさわしいタイトルを獲得するという有終の美を飾った。彼はF1より前にF2に昇格する必要があるが、彼の実際の才能についての疑問に関わらず、F1でトップドライバーたちとレースをするのは、可能性というよりもはや時間の問題だろう。
ティクトゥムはレッドブルのジュニアドライバーのトップであることから、2020年にF1でレースをする可能性は非常に高い。彼は現在スーパーライセンスを取得するのに十分なポイントを持っていないが、(参戦が予想される)2019年のスーパーフォーミュラで結果を出せば、ピエール・ガスリーが以前そうしたように、2020年にトロロッソ・ホンダのシートを獲得するのにうってつけの準備ができるだろう。
彼らの後ろにはマーカス・アームストロングとロバート・シュワルツマンというフェラーリ・ドライバー・アカデミーを代表する強力なふたりが控えている。ルノーの育成ドライバーであるサッシャ・フェネストラスも興味深いドライバーだが、スピードを証明したければ、2019年は競争力のあるマシンが必要となるだろう。
2018年のGP3シリーズでは、ほぼ全体的に才能の持ち主が欠如していた。しかしながら、目を引くドライバーは数名いた。たとえ彼らにまだ準備の時間が必要だとしてもだ。なかでもトライデントのデビッド・ベックマン(第8戦ロシア終了時点でランキング5位)とジュリアーノ・アレジ(同上ランキング7位)には注目すべきドライバーだろう。
一方、最終戦を前にランキングトップのアントワーヌ・ユベールとランキング2位のニキータ・マゼピンは、GP3ではARTのおかげで圧倒的優位に進めているものの、F2ではカーリンと比べてパフォーマンスの劣るマシンとなるため、彼らの気迫を証明する必要がある。
■日本人ドライバーたちの今後
ホンダがパワーユニット・マニュファクチャラーとして2015年からF1に復帰し、日本人ドライバーはジュニアドライバー市場において、またますます重要な要素になってきている。特にトロロッソ・ホンダは日本人の若手がデビューを飾るのに完璧な場所だ。そのスポットには現在ふたりの候補者がいる。

F2で戦う牧野任祐(ロシアンタイム)と福住仁嶺(アーデン)だ。牧野はモンツァのレース1で歴史的な勝利を達成したが、2018年のF2初シーズンとしては苦戦しており、まだ100パーセントの力を出すことができていない。彼の才能に疑問の余地はなく、2019年に結果を残せばすぐにでもF1へ挑戦することができるだろう。2020年にはF1への準備を整え、世界を驚かせることができるのではないだろうか?

福住は実際、2017年末にはF1への最有力候補と見られていた。GP3シリーズで印象強い走りを見せ、ランキング3位でシーズンを終えた福住だったが、2018年はF2とスーパーフォーミュラに並行参戦。F2では競争力のあるマシンに恵まれず、一方の日本では最初からツキに恵まれなかった。しかしながら、こうしたシーズンはドライバーを成長させるものだし、彼が以前から寛容であれば、これからチャンピオンとしての心構えを育てることになるかもしれない。もし福住に力があるのなら、2019年にそれを証明しなければならないだろう。