セナが事故死した94年以降は、しばらくの間、ブラジルGPでブラジル人ドライバーが勝利する姿を地元のファンは見ることはなかった。そんな時代に終止符を打ったのが、2006年のフェリペ・マッサだった。
93年にセナが優勝して以来、13年ぶりの勝利に地元のファンは新しい時代の到来を予感。2年後の08年のブラジルGPはルイス・ハミルトンとのタイトル争いの舞台となった。
2年ぶりの優勝を飾ったマッサだったが、最終ラップでハミルトンもポジションを上げて惜しくもチャンピオンは逃したものの、歴史に残る大激闘にブラジル国民から惜しみない拍手が贈られた。

この08年のマッサの勝利が、現時点でブラジルGPでブラジル人ドライバーが優勝した最後のグランプリとなっている。ただし、09年以降もルーベンス・バリチェロ、フェリペ・ナッセ、ブルーノ・セナ、そしてマッサと毎年、必ずブラジル人ドライバーが参戦してきた。
そのブラジル人ドライバーも、昨年のマッサを最後に今年はついにひとりもいなくなった。つまり、今年はブラジルGPが初めて公式戦として開催された73年以降、初めてブラジル人ドライバー不在の中で開催されるグランプリとなる。
昨年、3日間で14万1218人がサーキットに詰めかけたブラジルGP。今年は果たして、どれくらいの観客がインテルラゴスを訪れるのだろうか。