次にコース外での小競り合いだ。ホーナーの「暴力を肯定してはならないが、状況を見れば、もう少し寛大な処分であっても良かった」という主張に同感だ。確かにほかのスポーツではプレー中の暴力に対しては厳罰処分が下される。
アメリカのプロバスケットボールのNBAでは今年の10月に行われたロサンゼルス・レイカーズとヒューストン・ロケッツの試合で乱闘騒ぎがあり、3選手が退場処分し、さらに2~3試合の出場停止処分も科せられた。

ただし、この乱闘事件は相手にツバを吐きかけたり、指で目つぶししようとしたり、拳で相手の顔面をパンチするというかなり悪質なものだった。それに比べて、今回のフェルスタッペンの行為は乱闘でもなく、暴力というほどの危険な行為ではないように思う。
もし、フェルスタッペンが近寄ってきたときにオコンが「優勝を台無しにして悪かった」と謝罪していれば、フェルスタッペンもあそこまでエキサイトはしていなかったのではないか。
オコンは「レースの後の彼(フェルスタッペン)の振る舞いには驚かされたよ」と語ったが、むしろ驚いたのは小突かれたオコンが「自分はまったく悪いない」といった表情を見たフェルスタッペンだったのではないだろうか。
