「私が心配に思うのは、彼が間近に炎を見ながらも、自力ではマシンから脱出できなかったということだ」とウォルフはドイツのWelt紙に対して語った。
「もし本当に何か重大なことが起きるのだとすれば、我々はドライバーが自分でマシンを抜け出せるための仕組みを作るべきだろう」
元メルセデスF1のドライバーで2016年の世界王者であるニコ・ロズベルグは、ドライバーが炎の上がるマシンに閉じ込められたという日曜日の出来事こそが、F1で“ハロ”導入に反対した人たちの主な論点だったと語った。
ロズベルグはそれが「“ハロ”唯一の欠点であり弱み」だとし、さらに「基本的には“ハロ”が付いたことで安全性は大きく高まったが、おそらく再検証はすべきだろう」と付け加えた。
ヒュルケンベルグ自身は、仮に“ハロ”が付いていなかったとしても、マシンの上下が正しい状態に戻される前に自力でマシンを脱出できたかどうかは分からないとし、以下のように語っている。
「“ハロ”に脱出を邪魔されたのかどうかは何とも言えない。右側はいずれにしても壁でふさがっていたし、それ以外には本当に小さなすき間しかなかったんだ。僕はただシートに固定された状態でマーシャルを待つしかなかった。彼らはすばやく対応して、僕を出してくれたよ」