更新日: 2018.12.04 17:36
実力がかみ合わず消化不良に終わった最終戦、2019年は総合力の向上が必須【トロロッソ・ホンダF1コラム】
一方のガスリーはハイパーソフトタイヤでスタートしなければならないQ3進出組とは違いスーパーソフトタイヤでスタートできるアドバンテージを生かしてレースを有利に進めるはずだったが、マーカス・エリクソン(ザウバー)に抑え込まれてカルロス・サインツJr.(ルノー)を追いかけることができず、後ろのフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)によるアンダーカットを阻止するためにピットインをしなければならなかった。
レース序盤に目の前にいたサインツとは実力がそれほどかけ離れていたわけではなかったのに、レース展開の中でピットストップまでに15秒も大きく引き離され、サインツが中団グループ最上位の6位でフィニッシュしたのに対し、ガスリーはハース勢との10位争いが精一杯だった。
思い返せば、今年のトロロッソ・ホンダはそんなレースが極めて多かった。
「中団グループはとても接戦で、僕らもその中にはいた。何度か自分たちのパッケージのポテンシャルをフルに引き出すこともできたけど、それができなかったこともあった。結果としては他チームより50点も少ないポイントになってしまったけど、持っている実力としては中団グループの中ではかなりの接戦だったし、この結果は本当の実力を反映したものだとは思わない。だからこそランキング9位に終わってしまったのはガッカリだね」
予選でICE(エンジン)が壊れた上に最後はPU(パワーユニット)からのオイル漏れでリタイアとなってしまったように、ホンダPUの信頼性不足が足を引っ張った部分も少なからずあった。特にスペック3を投入してからの終盤戦ではその傾向が顕著だったが、アブダビGPでは予選・決勝ともに実力を結果に結びつけられなかった最大の要因となってしまった。決勝後、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは以下のように語った。
「決勝ではパワーユニット自体が壊れたというわけではなくトラブル自体は深刻なものではないんですが、ちょっと締め直せばまた走れるようなことでも止まってしまえばレースは終わってしまいますし0か100かで言えば(レースを失って)0ですから、結果としては同じことだと思っています」
「予選では1気筒の出力が出ていませんでした。ICEそのものの問題です。来年に向けてしっかりと分析して学びたいというところもありますから、ここで下手にいじらないでHRD Sakuraに返して解析したいと思っています。ガスリーも最後のブリーフィングで『来年に向けてきちんと学んで良いものを用意してくれ』と言ってくれましたけど、(壊れたPUを)きちんと分析して来年に繋げていきたいと思っています」