更新日: 2018.12.13 20:00
2019年のレッドブル・ホンダF1にかかる期待と懸念。「パワーがなければ、信頼性があっても無意味」
「ホンダが行うPUの設計に関して、われわれは一切、口を挟むつもりはない。またアブダビGPでは信頼性に関して、問題を変えてしまったが、それについてもわれわれは心配はしていない」
「われわれがホンダに期待しているのは、ただひとつ。それはパワーだ。できるだけ高いパワーを発揮するPUを供給してほしい。パワーがなければ、信頼性があっても意味はない」
ホンダPUスペック3の投入によって、ホンダはルノーを上回る性能に達したという人もいる。終盤戦でルノーPUを搭載したレッドブルがメルセデス、フェラーリと互角の戦いを演じていたことを考えると、2019年のレッドブル・ホンダへの期待は高まるばかりだ。しかし、レッドブルとのミーティングを重ねている田辺TDは、緊張感を保っている。
「周りが期待しているほど、簡単ではありません。むしろ全部、不安です。信頼性に関しては、改善されたとはいえ、まだ十分ではありません。大きな取りこぼしだけでなく、小さな取りこぼしも全部クリアしていかないといけない」
「性能に関してもトップとはまだ差がある。敵も止まってはいないので、全然、楽観視はできません。またレッドブルの車体作りは素晴らしいですが、2019年は空力のレギュレーションが一部変更されるので、安心はできません」
「レギュレーション変更はチャンスであり、失敗するリスクもあります。だから、皆さんが思っているように『レッドブルと組めば楽勝でしょ』とは全然考えていません」
世界一を目指すためには、世界一のエンジンを目指して、開発を行わなければならない。レッドブルと組むということは、そういうことなのである。その覚悟が現場のスタッフだけでなく、研究所で仕事するスタッフ全員が共有しなければ、メルセデスやフェラーリと戦うことはできないだろう。